今の気持ち、ポンタさんへの想いをここに綴らせていただきます

村上PONTA秀一

と着信に名前が出た時、

一瞬全部嘘なのかと思った。

急いで取るといつもの優しいひとみさんの声。

訃報を聞いて真っ先に思ったのは

ひとみさんのことだった。

気丈に話すひとみさん。

声だけ聞くと本当に

日常に戻っているかのようだった。

私は情けなくも

昨日一日をすっかり泣き暮らしてしまった。

改めて、とても近くに

いさせてもらっていたんだと思う。

「ポンさん」と発声する度に涙が溢れて

自分にとってどれだけ大きな存在だったか

嫌と言うほど思い知らされる。

「村上が座るところにね

 いつもえりちゃんと中塚さんの

 PETのMDがあってね

 最後までやりたかったんだと思うの

 もう一度やれなかったことが

 心残りだよね」

ひとみさんが伝えたかったと連絡をくれたのは

この事だった。

武くんに電話して

2人で泣いた。

実家で母と息子も泣いていた。

息子は生まれた時から

可愛がってもらっていたから。

なぜか息子は「師匠」って呼ばれてた。

昨年12月に突然

「師匠はどうしてる?学校行ってる?」

とメッセージが来た。

一時期不登校だった息子を

一年も経って気にかけてくれたのは

ポンさんとひとみさんだった。

SNSのタイムラインには

たくさんの色んな人と写っている

ポンさんの写真が流れてきて

ニュースにポンさんの名前が載るたびに

現実だと思わされる。

こんなにたくさんの人に

愛されるドラマーがいるだろうか。

こんなにたくさんの人の心に

温もりを残して。

ポンさん。大好きだよ。

大きな腕にもう一度すっぽり入りたい。

ぎゅーってした時のやわらかさ。

葉巻を吸う準備の仕草。

オーダーのおしゃれなシャツとパンツ。

高い腰と長い足。

イタリア製の靴。

帽子とメガネとマフラー。

ペン立てになるペンケースに

色とりどりの蛍光ペンと丁寧な字。

演奏中に目が合った時の笑顔。

ハッとした時の丸い大きな目。

そしてすぐに笑顔になった時の白い歯。

言葉の何倍もの情報を交換する瞬間。

曲ごとに変わるスネアの音。

美しいキックの音。

完全にバランスの取れた

タムのチューニング。

うるさくないのに華やかな

力のあるシンバル。

サウンドチェックの時のハイハット。

黒く塗ったティッシュケース。

マックのコーヒー。

灰皿と葉巻。

絵文字の多いカラフルなメール。

あまりに連絡の取れない武くんに

しびれをきらして作った

PETだけのメッセンジャー。

色んな思いが読み取れる

最期の方の文章。

シメの「ブラジャー」と「🅿️」。

電話の最初の

「はぁ〜いえりちゃん、ポンタです」の声。

全部全部すぐに鮮明に思い出せる。

ポンさん、大好き。

大切な人。

素晴らしい先輩。

あなたからたくさんのことを学びました。

本当にありがとうございます。

そちらにお父さんがいると思うから

よろしく伝えて下さい。

私も母もみんな元気でやってるからって。

そしていつでも繋がっていて下さい。

PETは武くんと続けます。

ポンタさん、ありがとうございました。